『ラテンアメリカ怪談集』

ボルヘスの傑作『円環の廃墟』も収録

皆さんは夢の中で、全然知らない人だが

妙にリアリティがある、架空の誰か、

理想の異性でも同性でも理想の友だちでも欲しかった兄弟でも、

強く一人の人間を思い描いたり、

無意識に夢に出てきたことがありますか？

強く思い描くことができたなら、

その人はひとりでに歩き出し、

学校に通ったり仕事をしたり電車に乗ったり、

ごはんを食べたり休日に友だちと遊んだり恋をしたり…

その人なりの人生を、何の疑問もなく、

もっともらしい顔をして生活を送っていて、

またその人も夢の中、別の人を思い描き…

この小説を読んだ人は、

もしかしたら今まで生きてきた自分も家族も、

周りの人も環境も何もかも、

誰かの見ている夢の中で、

作られた世界かもしれない、と

現実が揺らぎだし不思議な読後感を味わいます。

現実に穴を開けるような

現実と非現実との線引きを曖昧にさせるような

ボルヘスの世界を体験しよう！！